堺市障害当事者部会のブログ
各私鉄の車イスでの移動支援の現状を考える(南海〜大阪メトロ編)
最近、各私鉄を利用する中で、移動支援・合理的配慮・無人駅化による対応・バリアフリー設備等を考えてみたいと思い、普段の移動ルートから考える課題等について報告したいと思います。
普段利用している最寄りのバス停は、坂道を登りきったところにあり、バスの運行本数が 1 時間に 1 本 (平日を除く昼)しかないです。そのため、バスの運行本数が多い、最寄りバス停の 1 つ手前から乗車を してみると、ある程度余裕をもって乗車することができました。普段、バスを利用することが多いので、運転手さんとは顔見知りなので、乗車対応も早く、IC カードでの割引もスムーズです。他の路線だと障害者手 帳をいちいち出さないといけないためチェックに時間がかかる、慣れていない運転手の方だとどうしても時間 がかかってしまい、次の乗り換え時間や予定がずれてしまうこともあります。
別日に、南海泉北ライナーを利用しましたが、発券対応等も良かったです。泉北ライナーの車椅子スペースは、自分の場合でも対面の座席に膝が当たらず十分なスペースです(写真参照)。ですが、電動車 椅子やリクライニング仕様だと、横向きでは通路側にはみ出る状況です。当事者及び介護者が利用する場合、その分の座席が必要になりますが、介護者はずっと立ちっぱなしになるので、改善が必要です。新 幹線と同じく多目的スペースが必要ではないかと思います。(車椅子等の専用スペース、通常は指定席として活用)なんば駅での、車椅子ルートは、大阪メトロ・近鉄方向へは南海本線側の改札口を出て、なんばスカイオ側のエレベーターで地上又は高速バスへは 5 階のスイスホテル、バスターミナルに回ることになります。
南海なんば駅から大阪メトロ御堂筋線改札まで移動する際に、注意が必要なのが、南海なんば側のスロープです。メトロ側の出口改札が近いので混雑がひどく、歩きスマホや左右の通路からの合流もあり、人口改札、券売機までたどり着くためには、人込みをかき分けないといけません。自走式だと、目線が下にな り、進行方向と左右を気にしながら進むことになるのでスロープ(特に登り方向)はかなり疲れます。歩きスマホはやめていただきたいです。最近は、オーバーツーリズムの影響で、曜日に関わらず大型キャリーバッグを持ちながら公共交通を利用する旅行者が多いので、混雑時はなかなか乗れないし、車椅子スペースが大型キャリーバッグに占領されたりしています。特にドア付近でスマホ操作に夢中になっている乗客も含めて、各鉄道会社、管理会社、都道府県、市からのキャンペーンやアピールが必要です。あと、混雑時に 改札機を通る際、すぐに IC カードを出さないと通過しにくいです。ホームと車両の段差は、スロープ板なしで乗車できる線もありますが、スロープ板が必要な線もあるので、これから改善していただけたらと思います。 (次回、阪神・阪急・大阪メトロの場合について)
令和7年度 当事者部会スタート
4月23日、堺市健康福祉プラザにて令和7年度第1回障害当事者部会が開催されました。
今回は堺障害フォーラム(SDF)との共催研修に関する協議や、障害者の生活に関わるお金の問題について意見交換が行われました。堺障害フォーラムに関しては、講義形式と登壇者の決定が議題に挙がり、5名の委員が登壇を希望。登壇方法については、自己紹介の時間を設ける案や、障害種別を分散させて多様な意見を伝える案、事務局職員によるファシリテートなど、限られた時間を有効活用するための具体的な工夫が話し合われました。登壇者は今後、事務局と打合せを行い、5月の部会で最終確認を行う予定です。
「障害者の生活に関わるお金」をテーマとした議論では、障害年金と老齢年金の違いや、生活保護との併用、制度の活用方法など、参加者の実体験に基づいた具体的な話が交わされました。中には、制度を活用するには自ら調べる必要があり、情報提供が不十分であるとの指摘もあり、市や国の対応への改善提案もなされました。また、移送費や工賃の上限、生活保護下での支援のあり方についても課題が共有され、今後の継続的な検討が求められました。
来月以降の協議テーマとしては、「ヤングケアラー」「ヘルパー不足」「障害者と家族」「施設入所と社会参加」「優生思想」などが候補に挙がりました。特に優生思想については、相模原事件をきっかけとした議論や、日常に潜む偏見への問題提起があり、7月を中心に扱う方向で進められることになりました。
最後に、次回部会は5月28日に開催予定で、引き続き、障害当事者の声を生かした実りある協議が期待されます。
権利擁護について
令和7年2月26日の部会は、テーマ「権利擁護」について、各委員の体験した事、感じた事を話し合いました。
事前に提供資料、『DPI日本会議編「障害者が街を歩けば差別に当たる?!」』について、2016年に、身体障害のある人がヘルパー利用でスーパーへ買い物へ行った際に、店員さんの対応が本人ではなくヘルパーさんに向いていたことについての事例を共有しました。また、精神障害のある人の場合、健常者と見た目が変わらない方もいらっしゃるので、健康福祉プラザ内の施設で監視員から差別的な扱いを受けていると感じる事例についても共有しました。
最近は、令和6年4月1日から障害者差別解消法の一部改正(内閣府)により、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供の義務化が始まりました。
まだまだ理解は十分ではないですが、認知の方向へ進んでいます。私たちも不当だと感じた事を訴える権利を放棄していたこともあるかもしれませんし、相談窓口へ申し出れば差別の解消へ繋がるという希望にもなります。実際、私の通所している先輩当事者(女性、脳性麻痺、車いす、軽度言語障害)の方が、入院時に嚥下障害を理由(本人は普段から嚥下は不自由なくできている)に、食事に薬を混ぜて提供された事、その他不当な事(再三、改善を病院側に伝えるも改善されなかった。)等を、解消窓口へ訴え、市・病院・当人とで話し合いをし、病院側の謝罪と全職員への教育の徹底を含め、和解したとのお話を伺いました。現状、私の周辺ではこのようなことは起きていませんが…。
昨年に、関西大学地域連携事業 シンポジウムで、当事者代表として、それぞれの障害で不自由さを感じた事(車いすでの日常生活の大変さや困っていること、歩きスマホ、オーバーツーリズムの問題、大型キャリーでの公共交通、エレベーターの利用、車イス利用者に対するバリアフリーについて)を現役学生の皆様(中には3回生の方、これから社会へ進まれる)の前で訴えました。学生さんからのアンケート回答を見ると、話してよかったと思います。
今後、不当な事を受けたら、どんどん窓口へ申し出て行くことで何が不当な差別なのか?自分のわがままなのか?ということが分かるので、是非声をあげていって欲しいです。
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