堺市障害当事者部会のブログ

石橋委員の紹介(1)

カテゴリー:メンバー紹介 / スタッフ:スタッフ / 掲載日:2017.04.01

石橋尋志(ひろし)です。

発達障害(ADHD)の当事者です。


現在38歳の会社員で、泉北の工務店で営業職をしています。

 

27歳の時にADHDの診断を受けました。
ADHD
とは「多動性注意欠陥症」という障害です。
脳内の神経伝達物質の異常(過剰)分泌により、極端な衝動性や不注意を引き起こします。
原因は、マイクロRNA484という遺伝子の異常だと言われていますが 、治療法は確立されていません。

 

みなさんも小学生の時、クラスに一人はいませんでしたか?
お調子者で、いつもガサガサ動いて、やかましい子(笑
それです。

 

確かな統計ではないですが、全人口の4.5%ほどが該当するといわれています。

私は社会人になるまで、自分が発達障害であることに気づかずに生きてきました。
今になって母に聞くと、私が20歳くらいの時、ADHDではないかと薄々感じていたようです。

私自身は診断を受けようと思うまで、特段困りごとなく過ごしてきました。
しかし振り返って思い出してみると、周囲の人には随分と迷惑をかけてきたなと思います。

 

具体的には、

IQは正常なのに、アナログの時計を小学5年生まで読めなかった。

・授業をジッと聞いてられずに教室を飛び出し、そのまま帰宅すること多数。

・刺激を求めて、建物の三階から飛び降りて大ケガ。

・同じく刺激を求めて、裏山で火遊びをしてボヤを起こし補導されたり。

・普段は温厚だが、ひとたび感情的になると極端に暴力的になる。

・皮膚感触に過敏があり、中学生になるまで冬も半そで半ズボンで過ごした。

・空気が読めない。

・朝の起床が遅く、頻繁に遅刻していた。

・短期記憶が弱く、約束事や予定を頻繁に忘れる。

・宿題は一切しない、というか忘れている。

・忘れ物が極端に多い。帽子、カギ、財布、提出物などなど。

・マルチタスクが苦手で、別の事に 気を取られると、もともとやっていたことを忘れてしまう。

列挙するとキリがないのですが、これらの頻度が限度をこえて多いので、社会生活に支障をきたす人もいます。
 

発達障害全般の特徴を分かりやすく挙げると、

1、不文律や暗黙の了解などが理解しにくい

2、出来ることと出来ないことに、大きな差がある。

3、得意分野は人並み以上の能力を発揮するが、苦手分野を習得するためには5倍上の労力と時間がかかる。

4、いわゆる世間の常識を理解していないことが多い。

5、結果として社会性が実年齢より2割ほど低い。(=幼い) 

 

そんな私も大学卒業後、社会人になり、困りごとを自覚する ようになります。

営業成績は抜群なのですが、事務作業でミスを頻発。

交通違反や見積り金額の誤り、予定のダブルブッキングなどなど。

社会人として最低限のことが出来ないので総合評価は極めて低く、会社に損害を与えることもあり、職業を転々としました。

現在の建設会社に就職して、ようやく平穏な生活が送れるようになりました。


発達障害はまだまだ認知度が低いので、本人も家族も、周囲の人も、特性に気づかずに過ごしていることがほとんどです。

 

運よく環境に恵まれて社会適応できている人もいますが、その特性ゆえに「生きにくさ」をかかえている人がたくさんいます。

 

これらの状況をすこしでも改善するため、私は8年前から発達障害の自助グループを設立して運営しています。

 

発達障害の当事者やその家族が集まり、毎月1回、近況報告をしあう茶話会を開催するのですが、これには劇的に効果がありました。

 

これについては次回に。