堺市障害当事者部会のブログ
石橋委員の紹介(1)
石橋尋志(ひろし)です。
発達障害(ADHD)の当事者です。
現在38歳の会社員で、泉北の工務店で営業職をしています。
27歳の時にADHDの診断を受けました。
ADHDとは「多動性注意欠陥症」という障害です。
脳内の神経伝達物質の異常(過剰)分泌により、極端な衝動性や不注意を引き起こします。
原因は、マイクロRNA484という遺伝子の異常だと言われていますが 、治療法は確立されていません。
みなさんも小学生の時、クラスに一人はいませんでしたか?
お調子者で、いつもガサガサ動いて、やかましい子(笑
それです。
確かな統計ではないですが、全人口の4.5%ほどが該当するといわれています。
私は社会人になるまで、自分が発達障害であることに気づかずに生きてきました。
今になって母に聞くと、私が20歳くらいの時、ADHDではないかと薄々感じていたようです。
私自身は診断を受けようと思うまで、特段困りごとなく過ごしてきました。
しかし振り返って思い出してみると、周囲の人には随分と迷惑をかけてきたなと思います。
具体的には、
・IQは正常なのに、アナログの時計を小学5年生まで読めなかった。
・授業をジッと聞いてられずに教室を飛び出し、そのまま帰宅すること多数。
・刺激を求めて、建物の三階から飛び降りて大ケガ。
・同じく刺激を求めて、裏山で火遊びをしてボヤを起こし補導されたり。
・普段は温厚だが、ひとたび感情的になると極端に暴力的になる。
・皮膚感触に過敏があり、中学生になるまで冬も半そで半ズボンで過ごした。
・空気が読めない。
・朝の起床が遅く、頻繁に遅刻していた。
・短期記憶が弱く、約束事や予定を頻繁に忘れる。
・宿題は一切しない、というか忘れている。
・忘れ物が極端に多い。帽子、カギ、財布、提出物などなど。
・マルチタスクが苦手で、別の事に 気を取られると、もともとやっていたことを忘れてしまう。
列挙するとキリがないのですが、これらの頻度が限度をこえて多いので、社会生活に支障をきたす人もいます。
発達障害全般の特徴を分かりやすく挙げると、
1、不文律や暗黙の了解などが理解しにくい
2、出来ることと出来ないことに、大きな差がある。
3、得意分野は人並み以上の能力を発揮するが、苦手分野を習得するためには5倍上の労力と時間がかかる。
4、いわゆる世間の常識を理解していないことが多い。
5、結果として社会性が実年齢より2割ほど低い。(=幼い)
そんな私も大学卒業後、社会人になり、困りごとを自覚する ようになります。
営業成績は抜群なのですが、事務作業でミスを頻発。
交通違反や見積り金額の誤り、予定のダブルブッキングなどなど。
社会人として最低限のことが出来ないので総合評価は極めて低く、会社に損害を与えることもあり、職業を転々としました。
現在の建設会社に就職して、ようやく平穏な生活が送れるようになりました。
発達障害はまだまだ認知度が低いので、本人も家族も、周囲の人も、特性に気づかずに過ごしていることがほとんどです。
運よく環境に恵まれて社会適応できている人もいますが、その特性ゆえに「生きにくさ」をかかえている人がたくさんいます。
これらの状況をすこしでも改善するため、私は8年前から発達障害の自助グループを設立して運営しています。
発達障害の当事者やその家族が集まり、毎月1回、近況報告をしあう茶話会を開催するのですが、これには劇的に効果がありました。
これについては次回に。
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